大宰帥(そち)の大伴旅人(おおともの-たびと)へおくった歌だという。
06 0955 刺竹之(さすたけの)大宮人乃(おほみやひとの)家跡住(いへとすむ)佐保能山乎者(さほのやまをば)思哉毛君(おもふやもきみ)
さすたけ-の 【刺す竹の】:「君」「大宮人」「皇子(みこ)」「舎人男(とねりをとこ)」など宮廷関係の語にかかる。「さすだけの」とも。
おおみや‐びと〔おほみや‐〕【大宮人】:《上代は「おほみやひと」》宮中に仕える人。殿上人(てんじょうびと)。
『跡』の字には少なくとも、跡(セキ)・ 跡(シャク)・ 跡(あと)の3種の読み方だが、万葉仮名借訓として(と)
と(格助詞):〔目的〕…として。…と言って。…と思って。
上の句だけなら、常套手段ってもんだが、三句目の(いへとすむ)なんておかしいよね。
ところが四句目で、(さほのやまをば)とくる。
【故地名】佐保の山(さほのやま):奈良県奈良市
佐保山の麓は万葉歌人大伴家持、大伴旅人、大伴坂上郎女を輩出した、佐保の大伴氏をはじめ、高級貴族の邸宅地でした。
しかし大事なのは、長屋王主催の佐保楼と呼ばれた文化サロンもあったということだ。
ここで五句目(おもふやもきみ) が生きるんよ。
もちろん、長屋王の変を踏まえての話だよ。
憤懣やるかたない旅人のことを思っての歌である。
や-も:…かなあ、いや、…ない。▽詠嘆の意をこめつつ反語の意を表す。
さすたけの おほみやひとの いえとすむ さほのやまをば おもふやもきみ
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