06 0938 八隅知之(やすみしし)吾大王乃(わごおほきみの)神随(かむながら)高所知流(たかしらせる)稲見野能(いなみのの)大海乃原笶(おほうみのはらの)荒妙(あらたへの)藤井乃浦尓(ふぢゐのうらに)鮪釣等(しびつると)海人船散動(あまぶねさわく)塩焼等(しほやくと)人曽左波尓有(ひとぞさはにある)浦乎吉美(うらをよみ)宇倍毛釣者為(うべもつりはす)濱乎吉美(はまをよみ)諾毛塩焼(うべもしほやく)蟻徃来(ありがよひ)御覧母知師(めさくもしるし)清白濱(きよきしらはま)
たか-し・る 【高知る】:立派に治める。
四句目(たかしらせる)は、(たかしらしめる)
【故地名】印南野(いなみの):兵庫県印南の地一帯の丘陵性の原野。
【故地名】大海の原(おおみのはら):兵庫県明石市市魚住町から東方の丘陵にわたる一帯の地。同市二見町東二見小字大見はその遺称か。聖武天皇の神亀3年10月の『続紀』の行幸記事に「至二印南野邑美頓宮一」とある。
六句目(おほうみのはらの)は(おほみのはらの)
【故地名】藤井の浦(ふじいのうら):兵庫県明石市藤江の浦のこと。→藤江の浦
さ-は 【然は】:そうは。そのようには。
『有』の字には少なくとも、有(ユウ)・ 有(ウ)・ 有つ(もつ)・ 有る(ある)の4種の読み方が存在する。
十二句目(ひとぞさはにある)は、(ひとぞさはにも)
徃:[音] オウ(呉・漢)[訓]い-く、いにしえ、さき-に、ゆ-く、みち
十七句目(ありがよひ)は、(ありゆきき)
『御』の字には少なくとも、御(ゴ)・ 御(ゲ)・ 御(ギョ)・ 御(ガ)・ 御(み)・ 御(おん)・ 御める(おさめる)・ 御(お)の8種の読み方が存在する。
『覧』の字には少なくとも、覧(ラン)・ 覧る(みる)の2種の読み方が存在する。
御(み)+覧る(みる)=(みる)
『母』の字には少なくとも、母(モ)・ 母(ム)・ 母(ボウ)・ 母(ボ)・ 母(はは)の5種の読み方が存在する。
十八句目(さくもしるし)は、(みるもしらしめ)
06 0939 反歌三首
06 0939 奥浪(おきつなみ)邊波安美(へなみしづけみ)射去為登(いざりすと)藤江乃浦尓(ふぢえのうらに)船曽動流 (ふねぞさわける)
へ-なみ 【辺波】:岸に寄せる波。船べりに寄せる波。[反対語] 沖つ波。
いざり 【漁り】:漁をすること。
06 0940 不欲見野乃(いなみのの)淺茅押靡(あさぢおしなべ)左宿夜之(さぬるよの)氣長在者(けながくしあれば)家之小篠生(いへししのはゆ)
不欲は「欲せざる」で、「いな」の義訓
おし-な・ぶ【押し靡ぶ】:押しなびかせる。
「おしなむ」とも。
さ-・ぬ 【さ寝】:寝る。
け-なが・し 【日長し】:日数が長くたっている。
06 0941 明方(あかしがた)潮干乃道乎(しほひのみちを)従明日者(あすよりは)下咲異六(したゑましけむ)家近附者(いへちかづけば)
した-ゑま・し 【下笑まし】:心の中でうれしく思う。