06 0931 鯨魚取(いさなとり)濱邊乎清三(はまへをきよみ)打靡(うちなびき)生玉藻尓(おふるたまもに)朝名寸二(あさなぎに)千重浪縁(ちへなみよる)夕菜寸二(ゆふなぎに)五百重波因(いほへなみよる)邊津浪之(へつなみの)益敷布尓(いやしくしくに)月二異二(つきにけに)日日雖見(ひにひにみとも)今耳二(いまのみに)秋足目八方(あきだらめやも)四良名美乃(しらなみの)五十開廻有(いさきめぐれる)住吉能濱(すみのえのはま)
いさな-とり 【鯨取り】:いさな(=くじら)を捕る所の意から、「海」「浜」などにかかる。
「えびす(蛭子、戎、恵比寿など)は外来の神としての性格を持ち、外洋から訪れる鯨にえびすの神格が重ねられる」
ちへ-なみ 【千重波・千重浪】:幾重にも重なって寄せる波。
よ・る 【寄る・依る】:近づく。近寄る。接近する。
六句目(ちへなみよる)は、(ちへなみよせる)
へつなみ【辺つ波】:岸辺に打うち寄せる波。
『益』の字には少なくとも、益(ヤク)・ 益(エキ)・ 益(イツ)・ 益(イチ)・ 益(ますます)・ 益す(ます)の6種の読み方が存在する。
『敷』の字には少なくとも、敷(フ)・ 敷く(しく)の2種の読み方が存在する。
『布』の字には少なくとも、布(ホ)・ 布(フ)・ 布(ぬの)・ 布く(しく)の4種の読み方が存在する。
【飽(き)足る・慊る】:〔古くは「あきだる」。多く下に打ち消しの語を伴う〕十分に満足する。あきたりる
いさき‐めぐ・る【いさき廻】: ( 「い」は接頭語 ) 波がしらが白く砕けて、岸べ一帯に打ち寄せる。いさく。
神の出入り口である住吉をたたえた歌で、【今耳二】から【住吉能濱】が如実に語っているけれど、さらなる繁栄を願っている。
06 0932 反歌一首
06 0932 白浪之(しらなみの)千重来縁流(ちへにきよする)住吉能(すみのえの)岸乃黄土粉(きしのはにふに)二寶比天由香名(にほひてゆかな)
はに-ふ 【埴生】:「埴(はに)」のある土地。きめの細かい黄赤色の粘土。
にほひ【匂ひ】:美しい色合。