06 0942 味澤相(あぢさはふ)妹目不數見而(いもがめかれて)敷細乃(しきたへの)枕毛不巻(まくらもまかず)櫻皮纒(かにはまき)作流舟二(つくれるふねに)真梶貫(まかぢぬき)吾榜来者(わがこぎくれば)淡路乃(あはぢの)野嶋毛過(のしまもすぎ)伊奈美嬬(いなみつま)辛荷乃嶋之(からにのしまの)嶋際従(しまのまゆ)吾宅乎見者(わぎへをみれば)青山乃(あをやまの)曽許十方不見(そこともみえず)白雲毛(しらくもも)千重尓成来沼(ちへになりきぬ)許伎多武流(こぎたむる)浦乃盡(うらのことごと)徃隠(ゆきかくる)嶋乃埼〃(しまのさきざき)隈毛不置(くまもおかず)憶曽吾来(おもひぞあがくる)客乃氣長弥(たびのけながみ)
あぢさはふ【味沢相・味澤相】:あぢ(鴨の名)と呼ばれた渡り鳥が沢に滞在し、夜も昼も構わず鳴き続けるさま。
泣き続ける。
め-かれ 【目離れ】:目が離れること。会わないでいること。疎遠になること。
五句目(かにはまき)は、(おうひまき)
真楫繁貫(まかじじぬ・く):船に左右そろった櫂かいをたくさん取り付ける。
九句目(あはぢの)は、(あはみちの)
つま 【端】:はし。へり。
【故地名】辛荷の島(からにのしま):兵庫県揖保郡御津町室津地ノ唐荷島・中ノ唐荷島・沖ノ唐荷島。
くま【隈、暈】:隠れたところ。奥まったところ。
ふち【淵・渕・渊・潭】:脱出し難い厳しい境遇。
二十三句目(くまもおかず)は、(くまもふち)
二十四句目(おもひぞあがくる)は、(おもひぞあがく)
かく【斯く】:かように、このように、こうして。
け-なが・し 【日長し】:日数が長くたっている。
二十五句目(たびのけながみ)は、(かくのけながみ)
06 0943 反歌三首
06 0943 玉藻苅(たまもかる)辛荷乃嶋尓(からにのしまに)嶋廻為流(しまみする)水烏二四毛有哉(うにしもあれや)家不念有六(いへおもはざらむ)
う 【鵜】:水鳥の名。鵜飼いに使わ)れる。[季語] 夏。
『家』の字には少なくとも、家(コ)・ 家(ケ)・ 家(カ)・ 家(や)・ 家(うち)・ 家(いえ)の6種の読み方が存在する。
五句目(いへおもはざらむ)は、(けおもはざらむ)
06 0944 嶋隠(しまがくり)吾榜来者(わがこぎくれば)乏毳(ともしかも)倭邊上(やまとへのぼる)真熊野之船(まくまののふね)
『毳』の字には少なくとも、毳(ゼイ)・ 毳(セツ)・ 毳(セチ)・ 毳(セイ)・ 毳(セ)・ 毳(ケチ)・ 毳(カツ)・ 毳らかい(やわらかい)・ 毳(むくげ)・ 毳(にこげ)・ 毳(そり)・ 毳(けば)の12種の読み方が存在する。
三句目(ともしかも)は、(ともにこげ)
しまがくり わがこぎくれば ともにこげ やまとへのぼる まくまののふね
06 0945 風吹者(かぜふけば)浪可将立跡(なみかたたむと)伺候尓(さもらひに)都太乃細江尓(つだのほそえに)浦隠居(うらがくりをり)
【故地名】都太の細江(つだのほそえ):兵庫県姫路市
さ-もら・ふ 【候ふ・侍ふ】:ようすを見ながら機会をうかがう。見守る。